
初キャップを得たSO伊藤‐斉藤健仁撮影
俊敏性を活かして初代表を掴む
持ち味はステップと敏捷性、接触でも前へ出るボールキャリー。5月から7月まではセブンズ(7人制ラグビー)でプレーし躍動した。そのプレーに北川HCが可能性を感じ、15人制の熊谷合宿では当初、練習生として招集していた。
ただ、練習で攻撃的な仕掛けを披露し、今回初めて代表入りを果たした。SH(スクラムハーフ)津久井萌主将も「仕掛けてから表と裏のどちらに投げるのか、私もだまされるぐらいタイミングがすごく上手。」と高く評価していた。

伊藤に期待を寄せる津久井主将‐斉藤健仁撮影
同じ日に兄妹で桜のジャージー
10月24日は、先に行われた男子の日本代表vs.フィジー代表で兄・龍之介が先発。その後の女子の試合でちひろが代表デビューを果たした。同じ日に同じ会場で、兄妹が桜のジャージーを着てピッチに立った。
「同じ舞台で同じジャージーを着て出られることは、本当に一生に一度しかないと思う。そのことを感じながらも、自分のプレーに集中していた。」
男子の試合後には、ちひろから「お疲れさま。」とLINEを送った。兄からは「緊張も楽しんでがんばって。」というメッセージが届いていたという。
ただ、本人が試合後に感じたのは初キャップの喜びだけではない。相手のプレッシャーやフィジカル、判断に求められる速さに触れ、自分に足りないものも実感した。
代表デビューを到達点とせず、さらなる成長への出発点と受け止めた19歳。目指す司令塔像も明確だ。
「今回、やっとスタートラインに立てた。足りないところばかりで、今は悔しい気持ちがある。フィジカル、スピード、判断の速さなど、いろいろな部分をレベルアップしなければいけない。」
伊藤ちひろが目指すのは3年後のワールドカップ出場だ。
「3年後を見据える良い機会になった。しっかりステップを切って前へ出て、チームを前進させられるような10番になりたい。」
兄たちから刺激を受けながら、妹・ちひろは自ら選んだ道で次の一歩を踏み出した。

SO伊藤兄妹 同日、秩父宮ラグビー場で出場‐斉藤健仁撮影
サクラフィフティーンは熊谷で新体制初白星を目指す
北川HCが期待する初キャップ組の成長
初キャップの3人について、北川HC。
「彼女たちはまだまだこの程度ではないと思っている。SO伊藤選手も、試合終盤から入ってボールを動かそうとしてくれたが、まだ本来の姿を出し切れたわけではない。」
「テストマッチを経験していくたびに、パフォーマンスは上がっていくと考えている。」と大きな期待を寄せた。

男子日本代表でも活躍した北川HC‐斉藤健仁撮影
ウェールズ戦でサクラフィフティーン新体制初白星へ
ウェールズ代表との第2戦となる『太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE MATCH 2026/WXV Global Series』は、10月31日(土)16:00、埼玉の『熊谷スポーツ文化公園ラグビー場Aグラウンド』でキックオフを迎える。
「ブレイクダウンに尽きると思う。そこで、どれだけ速い球出しができるか。」と北川HCが言えば、SH津久井主将も「熊谷での試合は今年国内で戦う貴重なテストマッチで、今年最後の試合。しっかり勝ち切って締めくくりたい。」と意気込んだ。

次戦こそホームのファンの前で白星をあげたい‐斉藤健仁撮影
初キャップの3人が得た経験もチームの力に変えて、接点で相手の圧力に対応する。そして、素早い球出しから『ファストラグビー』を見せたい。
北川HCの正式就任後、ここまで5連敗。2029年ワールドカップへ歩み始めたサクラフィフティーンは、今年最後のテストマッチで新体制初白星を目指す。

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