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松永拓朗 日本代表は12キャップを数えた
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しかし、ケガも重なり、続くアメリカ代表戦では今年初めて、メンバー外となってしまった。

「(カナダ代表戦は)自分の良さを出したいという欲が強かった。加えて、ボールキャリーに走りすぎた部分もあった。自分の良さは他にもある、と考え直すきっかけになった。」と振り返った。

松永拓朗が得た気づき

そして、次の試合でメンバー外となると、「悔しかった。だが、自分にとってプラスだった。エディー(・ジョーンズHC)さんには、『(イタリア代表戦で見せたような)松永のベストなプレーが見たい。』『どうすれば最高のパフォーマンスを出せるか、良い状態の自分に戻れるかを考えろ。』と言われた。」と話す。

フィジー代表を20-15で下して優勝した9月19日。この『パシフィックネーションズカップ2026』決勝もメンバー外となった松永。自身のプレーでチームの勝利に貢献することはできなかった。

それでも、松永は「まだベストの自分に戻っていないような感じがあった。どうやってトレーニングで埋めるのか。そういうことを考えさせられた大会だったと感じている。」と冷静に振り返った。

ゴールを決めるFB松永

ゴールを決めるFB松永‐斉藤健仁撮影

松永拓朗が磨くプレースキックとスピード

10月に入り、秋の5連戦前に行われた別府合宿。松永拓朗は、個人のインディビジュアルトレーニング『鍛錬』の時間に、スピードトレーニングとプレースキック練習に精を出した。

「世界と戦うため。自分が良いパフォーマンスを出せるという自信を、成功例を積み重ねながらつくることが大事だと思っている。プレースキックについてはチームから信頼してもらえていると感じている。自分でも意識してトレーニングしている。」

世界基準で求められるハイボール対応

もちろん、BK(バックス)、特にバックスリーにとって大きな課題であるハイボールキャッチの練習にも時間を割いた。

「ハイボールはどうしてもフィフティー、フィフティーになる。加えて、世界と比べれば自分たちは小さい。WTB(ウイング)が空中でコンテストすることはもちろん、その後のこぼれ球をチームとしてどう取るかもすごく大事。キャッチする選手だけでない。周囲の選手のポジショニングやこぼれ球への反応もチームとして厳しく求められている。」と話した。

エディー・ジャパンで進化するアタック

エディー・ジャパン3年目。松永は「スペースがあればどんどん攻めるという点は以前と変わらない。1年目はオプションがそれほど多くなかった。だが、今は、アタック・シェイプ(攻撃の型)も多くなった。」とアタックの進化も肌で感じている。

「こういう時にはこのキックを使う、選手の判断で逆目を攻めるなど選択肢が増えている。加えて、僕の状況判断や、ボールを動かす強みを活かせる機会も増えている。チームとして世界に勝つための準備、世界に勝つためのラグビーができている。スタッフやコーチ陣の分析を踏まえながら進めている。」と自信を口にした。

別府合宿で汗を流す松永‐斉藤健仁撮影

別府合宿で汗を流す松永‐斉藤健仁撮影

高校時代は花園未経験、それでも日本代表へ

大阪府出身の松永は、小学校まで弟のFB貫汰(コベルコ神戸スティーラーズ)とともにソフトボールをしていた。その後、その監督の勧めもあり、ともに大阪市立中野中学校からラグビーを始めた。

高校は弟とともに大阪産業大学附属高校に進学。国体に選ばれるなど活躍したが、大阪府予選決勝で敗れた。その結果、『花園』こと、『全国高校ラグビー大会』に出場することはかなわなかった。

2015年ワールドカップが残した憧れ

松永は高校時代にテレビで見た、2015年ワールドカップが強く印象に残っている。

「日本代表が南アフリカ代表に勝った試合は印象に残っている。高校時代は、日本代表になることをまったくイメージしていなかった。もちろん、自分が『トップリーグ』(現・リーグワン)でプレーすることも想像していなかった。」

「今、エディーさんやリーチ(マイケル)さんと日本代表に加わっている。そして、ワールドカップへ行く可能性がゼロではないことは楽しみ。」

花園未経験から日本代表となった歩み

そして、「花園に出ていなくても日本代表になれた。大阪の高校は、花園に出られず悔しい思いをする選手も多い。」

「ですから、そういう選手の励みになれば、と思う。今は母校の選手も年代別代表に選ばれているのでうれしく感じている。」と語った。

ブレイブルーパスでプレーするFB松永

ブレイブルーパスでプレーするFB松永‐斉藤健仁撮影

■記者プロフィール
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。2012年から2015年までエディー・ジャパン全54試合を現地で取材。ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「今こそ行きたい 欧州サッカースタジアム巡礼」(エクスナレッジ)など著書多数。
≫「X」アカウント
https://twitter.com/saitoh_k
Journal-ONE投稿記者-斉藤 健仁
取材・文:
斉藤 健仁( 日本 )
この記事に関連する人物
松永拓朗

1998年生まれ、大阪府出身のラグビー日本代表フルバック(FB)。東芝ブレイブルーパス東京所属。大阪産業大学附属高校から天理大学へ進学し、大学日本一に貢献。2024年に日本代表デビューを果たすと、安定したプレースキックと的確な状況判断、攻撃参加を武器に存在感を高めた。ネーションズチャンピオンシップ2026では得点ランキング上位に名を連ね、2027年ラグビーワールドカップを目指す日本代表の中核として期待されている。豊富な運動量と冷静なゲームコントロールで、チームを支えるバックスリーの要として活躍を続けている。

リーチ マイケル

1988年生まれ、ニュージーランド出身のラグビー日本代表フランカー。東芝ブレイブルーパス東京所属。2015年ワールドカップで日本代表主将として歴史的勝利を導き、2019年大会でもベスト8進出に貢献した。豊富な経験とリーダーシップでチームを支える精神的支柱として、現在も世界の舞台で活躍を続けている。

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