
9月はキャプテンを務めたSH齋藤-斉藤健仁撮影
WTBの選手層と決定力 さらなる強化ポイント
一方で、「アタッキングチームを目指している。」というジョーンズHCが「まだ層を厚くしなければならないポジションがある。」と話したのがWTB(ウィング)だった。
WTBの得点力に見えた課題
8連戦でWTBに起用した選手は全部で7人。ネーションズチャンピオンシップからオーストラリア代表との2連戦まで、WTB陣は3トライ(メイン平、石田吉平、植田和磨)を挙げた。しかし、9月の3戦ではWTBによるトライはゼロに終わった。
ジョーンズHCは、かねてから11番に縦に強いタイプのWTBを置く。そして、14番にはスピードタイプのWTBを好んできた。指揮官は「特に補強が必要なのはWTB。まだ十分な層があるとは言えない。大学生を含め、スピードがあり、トライを取れる選手を探していきたい。」と話した。

矢崎(左/早稲田大学4年)も2試合に出場した-斉藤健仁撮影
ラグビー日本代表 次世代のスピードスターを求めて
「(9月は)先発で起用している石田(横浜キヤノンイーグルス)はケガで参加できなかった。WTB植田は非常に成長している。加えて、WTBイノケ・ブルア(ともにコベルコ神戸スティーラーズ)も伸びている。」
「長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)も、ここ数週間でようやく試合へ出られる状態まで戻ってきた。ただ、その選手たちに加え、本物のスピードを持った選手をもう1人見つけたい。現在のチームにはない、際立ったスピードを持つ選手が必要。どこかにそのような選手がいるなら、ぜひ教えてください。提案はいつでも歓迎します(笑)。」と話した。
ジョーンズHCが2012年から日本代表を率いていたときのこと。当時大学生だった福岡堅樹と藤田慶和(丸和MOMOTARO’S成田)。加えて、松島幸太朗(サンゴリアス)ら若手を積極的に起用したことを思い出す。その結果、2015年ワールドカップでは松島、藤田がトライを挙げた。さらに、2019年大会では松島、福岡の2人が「ダブルフェラーリ」として大ブレイクした。
日本代表のアタックは、パス&ランラグビーが軸だ。大外で1対1の状況を作り出したときにトライを取り切るWTBが必須ということだろう。最右翼の1人は今年、U20日本代表で躍動した内田慎之甫(筑波大学2年)あたりか。

8月のオーストラリア戦で代表初トライを挙げたWTB植田‐斉藤健仁撮影
課題を克服し2027年ワールドカップへ
空中戦の改善は継続テーマ
また、WTB、FB(フルバック)も含めたバックスリーのハイボールの処理、空中戦は継続的な課題だ。フランス代表戦では空中戦でモメンタムを奪われた。フィジー代表戦も前半は後手を踏んでしまった。
ジョーンズHCは「(空中戦は)引き続き改善しなければならない。ボールを落とす回数が多すぎる。日本代表の選手の多くは、ハイボールがそれほど大きな要素になっていない国内リーグでプレーしている。そのため、集中的に練習できるのは代表活動中に限られる。キャッチングスキルを向上させるため、まだ取り組まなければならないことがある。ただ、クラブで毎週練習できるわけではないので、難しい課題。それでも、粘り強く取り組み続ける。」と先を見据えた。

総括するジョーンズHC-斉藤健仁撮影
欧州遠征とW杯へ続くラグビー日本代表の道
日本代表は今秋、テストマッチが5試合残されている。10月24日にフィジー代表と再戦。さらに、11月には欧州で強豪との4連戦が待ち受けている。ウェールズ代表、イングランド代表、スコットランド代表、そして、順位決定戦と続く。
ジョーンズHCも「ワールドカップへ向けては、まだ長い道のりがある。」と話す。ラグビー日本代表がワールドカップで世界の強豪に勝つ。そのために、前を向いて一歩ずつ強化を進めていく。
















