ラグビーワールドカップの開幕までちょうど1年となった10月1日(木)。ラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が会見を開いた。
9月のPNC(パシフィックネーションズカップ)で優勝したチームの現状。そして、ワールドカップへの思いを語った。
ラグビーワールドカップ開幕まであと1年 ジョーンズHCの現在地
今の心境を表すなら『ナーバス』
ラグビーワールドカップを1年後に控え、ジョーンズHCは「今の心境を表すなら『ナーバス』だ。ただ、それは良いこと。もし緊張感がなければ、自分はこの仕事をするべきではないと思う。ワールドカップが近づいていることへの興奮も感じている。」と語った。
「選手たちからも、昨年のPNCとは違うものを感じる。より集中していて、自分たちがどこへ向かうのかを理解していると思う。目標が目の前に見えるようになり、ワールドカップがより現実的なものになってきた。大会初戦で自分たちのベストを出せる状態にしたいという、言葉では表しにくい感覚がある。」と心境を吐露した。

現在の心境を語るジョーンズHC-斉藤健仁撮影
目指すのは大会を象徴するチーム
改めてラグビーワールドカップの目標を聞かれると、オーストラリア出身の指揮官は「大会を象徴するチームになりたい。誰もが見たい、あるいは一緒にプレーしたいと思うチームだ。興奮と情熱を持ってプレーし、ラグビーファンだけでなく、日本という国全体を鼓舞する。私たちが目指すのは、そのようなチームだ。」とコメント。
「そのためには、様々な状況へ適応できるよう、ゲームを進化させ続けなければならない。選手たちも、困難な状況に耐えられる、たくましい選手へ成長する必要がある。そして、自分たちに適した状況になれば、『超速ラグビー』を発揮したい。」と意気込んだ。
日本代表はラグビーワールドカップへどう成長したのか
ラグビーワールドカップ2015年大会との違い
ジョーンズHCにとって、日本代表を率いてラグビーワールドカップを戦うのは2015年大会に続いて2度目となる。当時と今のチームを比べてどうかと聞かれ、「チーム同士を比較することは非常に難しい。今回の日本代表活動では、より若いチームからスタートした。このチームは2024年に、ほぼゼロから作り始め、そこから積み上げてきた」と振り返った。
「チームを率いて3年目になれば、着実な成長が見えてくることを期待している。現在は、より安定したパフォーマンスができるようになり、接戦に勝って、自分たちよりランキングが上の相手にも勝てるようになってきた。いずれもポジティブなことだ」と話すにとどめた。
プロ化がもたらした変化
自身のコーチングに変化があったかと問われると、66歳の世界的名将は「世界のどこでも、選手の世代交代が進んでいる。日本ラグビーでは、ほとんどの選手がプロになるという大きな変化があった。現在のコーチングは、2015年とは全く異なる。これは世界中で起きている変化。しかし、日本では選手のステータスが変わったことが特に大きい。」と指摘した。
ラグビーへの愛情を失わせないために
「どの競技でも、プロ化から最初の10年、15年は難しい時期になる。選手の姿勢を変える必要があるからだ。かつて、好きだからやっていたことを、今度は収入を得るために行うようになる。そうすると、ときには競技への愛情を忘れてしまう。私たちのチームでは、その愛情を生き続けさせなければならない。PNC決勝で、選手たちが仲間とプレーすることを心から楽しみ、必要な場面でゴールラインを一緒に守る姿を見ることができた。それは良い兆候だと思う。」と話した。

PNCを制した日本代表‐斉藤健仁撮影
ラグビーワールドカップで勝つために必要な進化
激しさを増すボール争奪戦
2023年大会から2027年大会に向けてのラグビー面ではどう変化したのか。これについては、ボール争奪戦がより熾烈になっていることを挙げた。
「大きな違いの1つは、ボールをめぐる競争がより激しくなっていることだ。地上でも空中でも、コンテストの強度が高くなっている。ブレイクダウンでは激しい争いがある。トップレベルの試合では、簡単に手に入るボールは1つもない。すべてのボールが争われる。そのため、選手には卓越したブレイクダウンスキルが必要だ。以前から重要だったが、現在はさらに重要になっている。同時に、空中戦でも高い能力が求められる。」と説明した。

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- 取材・文:
- 斉藤 健仁( 日本 )

原田衛
1999年生まれ、兵庫県伊丹市出身。東芝ブレイブルーパス東京所属のHO(フッカー)。桐蔭学園、慶應義塾大学で頭角を現し、セットプレーの安定性と運動量、強いリーダーシップに定評がある。2024-25シーズンにはチームの2連覇に貢献。2026年にはスーパーラグビーのモアナ・パシフィカで海外挑戦し、8試合に出場してフィジカルとメンタルを強化した。日本代表では12キャップを持ち、2026年マオリ・オールブラックス戦でキャプテンに指名されるなど、チームを牽引する存在となっている。

佐藤健次
2002年生まれ。桐蔭学園高では全国高校ラグビー大会2連覇に貢献し、早稲田大学でも活躍。大学4年時からラグビー日本代表に招集された若手フッカー。現在は埼玉ワイルドナイツに所属し、ワールドカップ出場と海外挑戦を目標に成長を続けている。

リーチ マイケル
1988年生まれ、ニュージーランド出身のラグビー日本代表フランカー。東芝ブレイブルーパス東京所属。2015年ワールドカップで日本代表主将として歴史的勝利を導き、2019年大会でもベスト8進出に貢献した。豊富な経験とリーダーシップでチームを支える精神的支柱として、現在も世界の舞台で活躍を続けている。












