ハイボール対応は重要な強化分野
「PNC決勝では、(日本代表が)ハイボールを2本落とした。その結果、フィジー代表を7、8分ほど自陣へとどめてしまうことになった。その時間帯に相手が得点すれば、大きな代償を払うことになる。日本国内のラグビー(リーグワン)では、空中戦がそれほど大きな要素になっていない。そのため、選手たちは日本代表の練習とテストマッチを通して学ばなければならない。非常に重要な強化分野だ。」と課題を口にした。
世界を支配する南アフリカ代表の強さ
さらに、世界のラグビーに知見のある指揮官は「もう1つ興味深いのは、現在の南アフリカ代表のスタイルだ。2011年から2019年頃まで、ニュージーランド代表がテストマッチの約80%に勝利し、世界のラグビーを支配していた。2019年以降の南アフリカ代表も、テストマッチの約75%に勝利し、現在の世界を支配している。」と現在の状況を話した。
日本代表が伸ばすべき攻撃力
そして、「南アフリカ代表がもともとの強みである力強いディフェンスやキッキングゲームに、崩れた局面から素早く攻める力を加えたことだ。そこは、日本も大きく伸ばせる分野だと思っている。PNC決勝では、そのような機会を何度か逃した。少し保守的になってしまったことは残念だった。現代のラグビーでは、ゲームがアンストラクチャー(崩れた状態)になった瞬間に素早く攻めることが重要だ。相手のディフェンスが整う前に、2回のボールキャリー以内に得点できる力が必要だ。」と先を見据えた。

PNC決勝スクラムで優位に立った日本-斉藤健仁撮影
変わるコーチング、変わらないキャプテンの役割
現代ラグビーにおけるキャプテン像
また、かつてと今の時代に求められるキャプテン像に関して問われた、ジョーンズHC。
「キャプテンの役割そのものは、全く変わっていないと思う。キャプテンは、フィールド上でコーチの声を代弁する存在だ。コーチの目が届かないところでも、選手たちの行動が、勝つために必要な基準を満たしているかを確認する役割がある。」と重要性を語った。
若い世代とのコミュニケーション
「一方、コーチからキャプテンへのコミュニケーションは、以前ほど指示的ではなくなり、より導く形になっている。もちろんバランスが必要で、状況によってアプローチは変わる。ただ、一般的には『これをしなさい』と伝えるのではなく、『何を見るべきだと思う?』と質問する。その上で、本人に考えや判断を出してもらい、こちらからフィードバックする。時間のかかるプロセスだが、現在の若い世代には最も効果的な方法だと思う。」と私見を述べた。
リーチ マイケルがもたらす価値
また、若いチームにとっては、100キャップに迫っているFL(フランカー)リーチ マイケル(37歳/東芝ブレイブルーパス武蔵)。彼のようなベテラン選手が、メンターとしてチームに良い影響を与えていることも感じているようだ。
「リーチがプレー可能な状態で、コンディションも良く、33人のスコッドへ入るに値するのであれば、その役割を果たしてくれると思う。彼は過去3シーズン、その役割を担ってきた。現在は少し休養を与えており、11月のツアーへ向けて、改めて状態を確認する。彼はチームへ大きな価値をもたらす、素晴らしい選手だ。これ以上ふさわしい選手は思い浮かばない。」と賛辞を送った。
ダルビッシュ有に重ねるベテランの存在感
「ニュージーランドで育った若者が日本へ渡り、日本で生きることを決意し、日本語を流暢に話すようになった。私たちは、そのような選手がいることを幸運に思うべきだ。2023年のWBCで侍ジャパンが優勝した時のダルビッシュ有を思い出してほしい。試合への出場だけでなく、選手たちをまとめ、フィールド外で非常に重要な役割を果たした。そのような存在が必要だという指摘は、まさにその通りだ。」と語った。

イタリア戦でのリーチマイケル-斉藤健仁撮影
ラグビーワールドカップ33人へ向けた戦力強化
全ポジションに3人のテストマッチ級選手を
また、指揮官は、「どのポジションもテストマッチで戦える選手を3人育成したい。」「3年目のシーズンが終わった後、ワールドカップのスコッド(33名)の80%を固めたい。」と話していた。その進捗に関して、「かなり良い状態にあると思う。」と自信をのぞかせた。
SOとWTBの選手層拡充
昨年の段階で、テストマッチで世界と戦えるSO(スタンドオフ)、WTB(ウィング)の選手を見つけることが急務だったという。

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