しかし、10分過ぎから、ジャパンが相手陣奥で攻め続ける。すると、18分にはスクラムを起点に途中交替で入ったSH藤原忍(スピアーズ)がパス。それを、FLベン・ガンター(ワイルドナイツ)が飛び込みトライを挙げた。そして、15-12と試合をひっくり返した。
だが25分、フィジー代表にPGを沈められ、15-15の同点に追いつかれる。
さらに28分、日本代表は前半で負傷交替したCTB廣瀬雄也(スピアーズ)に続き、FBグリーンも負傷。その結果、BK兼任のティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)がFB。そして、FLの下川甲嗣(サンゴリアス)がWTBに回った。

トライを挙げるFLガンター‐斉藤健仁撮影
サミソニ・トゥアの決勝トライで勝負あり
緊急事態だったが、ジャパンは集中力の高いディフェンスを見せる。そして、それ以上の失点を許さなかった。
すると32分、相手の反則からタッチに蹴り出し、15mの地点からラインアウトのチャンスを得た。モールを押し込んで、最後は途中交替のCTBサミソニ・トゥア(浦安D-Rocks)が見事なステップ。そこから抜け出し、左中間にトライを挙げた。これにより、20-15とついに日本代表がリードを奪った。
残り2分、WTBに入った下川が敵陣の左タッチライン際で見事なタックルを決める。相手を押し出してジャパンボールにすると、その後はFW陣がボールをキープ。
そして、ホーンが鳴った後、SO伊藤が蹴り出してノーサイド。日本代表が20-15で勝利し、7年ぶり4度目のパシフィックネーションズカップ優勝に輝いた。

決勝トライを挙げるCTBトゥア。代表初トライとなった‐斉藤健仁撮影
7年ぶり4度目の優勝 大会MVPは齋藤直人
フィジー代表戦での勝利は2019年7月以来。第2期エディー・ジャパンにとっては初のタイトルとなった。
この試合のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)はトライも挙げた日本代表FLガンター。加えて、トーナメントMVPはキャプテンSH齋藤が選出された。
「自分だけでは(9月の)3試合、このトーナメントを乗り越えられなかった。支えてくれたチームメイト、スタッフなどすべての人に感謝したい。」(齋藤)。
強豪相手の勝因は、メンバーが替わっても最後まで保った集中力。そして、規律が高かったディフェンス、スクラム、ラインアウトのセットプレーだった。マイボールスクラムは100%キープし、反則はわずかに5つ。加えて、相手に許したラインブレイクはわずか3つだった。
ジョーンズHCは「この試合で、うまくできたのはディフェンスの強度。私はこれまで何度もフィジー代表と対戦してきたが、これほどラインブレイクを許さなかった試合はなかった。私たちにとって非常に大きな前進。」とまず守備面を称えた。

SO伊藤はイタリア戦に続いて、チームを勝利に導いた‐斉藤健仁撮影
ラグビー日本代表が示した成長と残された課題
ただ、指揮官は「今日はアタックをまったく機能させることができなかった。セットプレーに頼って得点を重ねる形になった。私たちはアタッキングチームを目指しているので、その点は残念。難しいコンディションだったとはいえ、もっと良いアタックをしなければならない。」と課題を口にすることも忘れなかった。
齋藤キャプテンは「まず、フィジー代表に勝ち、この大会で優勝できたことがうれしい。ディフェンスでは、FWが粘り強く戦ってくれた。(終盤、FWの2人がBKに入った状況でも)チーム全員が同じ画を見て、残り時間が少ない中で、どのように時間を使い、試合を終わらせるかを統一し、最後まで締められた。その点でもチームの成長を感じた。この2年間勝てなかった相手から白星を挙げて優勝したことは、若いチームの自信になった。」と前を向いた。
「80分間、試合に出ているメンバーが日本のラグビーを見失わずに、プレーできたことが勝ち切ったところにつながった。」
途中からWTBに入り、殊勲のタックルを決めたFL下川はこう振り返った。
さらに、7月のイタリア代表戦に続いてチームを勝利に導いたSO伊藤も「僕自身はあまり良いパフォーマンスができなかったが、チームにとって勝つための良い役割をこなせていたなら、それで良かった。」と、振り返った。

スクラムも日本が優勢だった‐斉藤健仁撮影

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